あとがき
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蝶の飼育を始めた当初は、外で目にするようなアゲハ蝶が、これほど厳しい世界を生き抜いているんだとは思いもしませんでした。飼育をしている最中、飼育方法を調べていくたびに生存率の低さ、羽化率の低さにやるせなさを感じました。
そのことは、配信初日の懸念でもありました。24時間カメラが動いているだけでなく、そこに映る生物は生存率が低い。配信中に死んでしまう光景を映す可能性がある。というのはあまり気持ちのいい事ではありません。
今年の第1期は環境を作り、エサを用意するだけで終わりました。何が良かったのか、何が悪かったのか。体験として、記憶としては残っています。でも、もし、その様子を記録し、振り返ることを容易にすれば、もう少し次に来たアゲハ蝶達の役に立つのではないか、そんなふうに考え第2期の配信を行いました。
たとえ途中で死んでしまっても、ありのままを映そう。綺麗な部分以外も知ってもらおう。そう思うようになってからは、当初配信には出していなかった別の個体の羽化配信を行ったりもしていました。体験を共有し、記録する。これはピアキャスト配信で続いてきたことでもあります。
何かの縁というと少しおこがましくもありますが、家にあるレモンの木を選び卵を産んでいったのです。これからも卵に気が付いたら飼育は続けていくことでしょう。なぜなら、この小さな卵はあの日、あの時育てたアゲハ蝶がまた戻ってきた、その証かもしれないのですから。