飼育について
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カブトムシやクワガタなどに比べ、幼虫を入手することが難しい昆虫なのではないかと思います。近所のホームセンターなどで卵がついている苗木を選んでくるか、苗木を買いアゲハチョウが自然に産みつけに来るのを待ちましょう。
アゲハチョウといっても多くの種類がいます。ミカンの葉を食べるものがいたりセリ科の葉を食べるものがいたりと様々です。ですが、基本的にミカンの木にはミカンの葉を食べる蝶が卵を産み付けます。これは産卵時に親が前脚で食草に適した葉であるか判別してから卵を産み付けるためです。
飼育について役に立つことは書けませんでしたが、基本は掃除と食事です。ケース内の清潔を保ち、食べる葉さえ用意できれば、本当に勝手に育ってくれます。そうはいっても、餌が十分にあっても死んでしまう子は必ずいます。人が助けられる要素が少ない生き物なのです。3齢虫~4齢虫で1割は減っていくことを覚悟してください。
昆虫を飼うような一般的な虫かごでは、幼齢の幼虫はフタの隙間から逃げてしまいます。これは、ふ化したての幼虫でも壁を上ることができるからです。ケースは密閉できるものが良いでしょう。ふ化からしばらくはジャムの瓶程度の入れ物で飼育しても大丈夫です。ふた近辺にいることもあるので、開閉には注意してください。おすすめは100均などで売っている少し深めのタッパーウェアです。
ケースのフタの裏などに軽く湿らせたキッチンペーパーを小さく切って貼り付けておくと、ある程度の調湿を行えます。乾燥防止になり食草が長持ちしますが、湿らせすぎには注意してください。
大きく育った緑色の5齢幼虫と4齢以下の白黒の幼虫は同じケースで飼わないほうがいいです。4齢~5齢ぐらいになると性格が荒っぽくなる子がいます。ほかの幼虫に乗る、頭を左右に振るなどの行動が見られ、この際に臭角というツノを出して威嚇することがあり、頻繁に起きるとストレスとなります。
また、5齢幼虫が蛹化する前に排泄する水分を含んだフンからカビが発生しやすく、その影響を避ける意味でも5齢幼虫は5齢幼虫だけで飼育することをお勧めします。5齢幼虫まで育っていると移動も簡単です。
サナギポケットには賛否両論あるかもしれません。実際のところ、狙ったところでサナギになってもらうことはかなり難しいです。蝶のサナギは見つけやすく、集めることが簡単。なおかつ飼育、観察するために便利であるため、この方法がポピュラーになったのではないかと思います。
今回は、自らの糸かけによるもの、サナギポケットによるものの両方で飼育しました。結果はどちらでも羽化に成功し、どちらでも羽化不全が発生しました。
蝶の種類は違いますが、海外の昆虫園などでは接着剤で羽化ケースに連なって貼り付けているような画像もあります。これも似たような理由から、この方式をとっているのだと思います。(Butterfly Gardens cocoonなどで検索すると画像が出ますが閲覧注意です)
種類
食草
ナミアゲハ、クロアゲハ
ミカン科 ミカン、レモン、ユズ、山椒、カラタチなど
キアゲハ
セリ科 パセリ、ニンジン、ミツバ、アシタバなど
アオスジアゲハ
クスノキ科 クスノキ、タブノキなど